県内で33年ぶり、東北唯一の「春の院展」開幕

斎藤さんから日本画の魅力を聴く参加者たち

 日本美術院と須賀川市立博物館の第75回春の院展福島展は27日から同館で開幕し、日本画壇の第一人者・那波多目功一をはじめ院展の同人による作品39点をひと目見ようと多くの人が足を運んでいる。
 昭和45年8月に開館した市立博物館が今年50周年を迎えたことを記念し、県内では昭和62年以来33年ぶり、年内では東北唯一開催が実現した。会期は12月20日まで24日間。
 日本美術院は岡倉天心が創始し日本画の革新を追求し続けている。
 春の院展は昭和20年に「日本美術院小品展覧会」として始まり、34年に「日本美術院春季展覧会」、昭和45年に「春の院展」として現在まで続いている。秋の院展に比べサイズが限定されるため、実験的な作品が多く、細部に至る書き込みも注目の一つとされる。
 福島展は20回以上入選した同人(どうにん)39人の作品のみをピックアップした。また県在住の浅野英明、棚倉町出身の日本画家・藁谷耕人を父に持つ藁谷実ら、県にゆかりのある作家の作品も集めた。

じっくりと作品を鑑賞する来場者たち

 一流の作家が描く四季の情景や幻想的な風景、作家ごとに特徴あるタッチや色使いは圧巻で、来場者らは1枚の絵にじっと立ち止まり、感動している様子だった。
 須賀川と院展にゆかりのある作家として牡丹画を描き続けた巨匠・松尾敏男や市出身の画家・須田?中を解説するパネルも設置し、関心を集めている。
 初日は出展者で福島市在住の斎藤勝正さんが、名誉顧問を務める県日本画協会の会員にギャラリートークをするなどイベントも実施された。
 斎藤さんは「日本画壇最高峰が一堂に会する貴重な機会であり、ぜひ足を運び、技術や構成など日本画の最先端をいく作品に感動や刺激を受けてほしい」と述べた。
 なお初日の来場者には3種類の絵葉書から1枚をプレゼントした。
 入館者はカメラ付きサーモグラフィーで体温を計測し、手指消毒など感染症対策を万全にした上で鑑賞を楽しんでいる。
 観覧は一般500円、中学生以下と70歳以上は無料。
 開館時間は午前9時から午後5時まで。混雑を避けて観覧できるよう、毎週土曜日は「絵画を楽しむイブニングミュージアム」として午後7時まで延長する。
 会期中の休館は毎週月曜日。
 問い合わせは同館(℡75―3239)まで。