21日に炎の供養「牡丹焚火」

中央広場で出番を待つ牡丹焚火の炉

 須賀川の初冬を代表する静かな炎の供養行事「牡丹焚火(たきび)」は、21日午後4時半から牡丹園中央広場で行われる。天寿を全うした牡丹の古木や枯れ枝を火にくべて、大輪の花を楽しませてくれたことへの感謝を表す。俳句の季語となる歳時記にも収載され、あまたの俳人が全国から集う俳枕となっている。
 今年は新型コロナ感染拡大防止のため、中央俳壇で活躍する俳人らを迎えての講演会などは開かない。
 牡丹焚火は大正時代に俳句を趣味としていた園主の柳沼翁が俳人仲間を迎えて始めたとされ、親交があった北原白秋や原石鼎らの作品にも詠まれる。当時を代表し今も多くの読者に支持される吉川英治作の時代小説「宮本武蔵」にも登場する。
 前半は古木を包む炎が夜空を焦がさんばかりに立ち上り、火の粉が舞う情景が特徴的で、火勢が落ち着く後半は枝を包む炎が赤から青や青紫に色を変え一点して静寂が会場を包む。
 炉の周囲を独特なかぐわしい香りが漂う光景は環境省が選ぶ「かおり風景100選」にも選ばれ、その情景も多くのファンに愛されている。
 牡丹俳句大会は当日の投句または郵送での事前投句(〒962―0727須賀川市小作田字荒町台36―1江藤文子片牡丹焚火俳句大会宛て)を受け付ける。牡丹焚火またはその傍題を季語とし、1人2句まで。高得点者などに賞品を贈呈する。
 投句締め切りは今月25日当日消印有効。選者は俳人の恩田侑布子さん、桔梗吟社の森川光郎代表、高久田みのるさん、江藤文子さん、金子秀子さん、永瀬十悟さんが務める。
 選者の恩田さんは静岡市生まれ。俳誌「桔槹」の紹介文には、「特定の結社に所属することなく、古くから培われてきた俳句の土壌を耕しつつ、新たな種を植えるべく、各方面で精力的に活躍中」とある。
 2000年に「イワンの馬鹿の恋」、2016年「夢洗ひ」で現代俳句協会賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。
 なお牡丹焚火当日は新型コロナ対策として、参加者全員の名簿への記載、マスク着用、検温や手の消毒への協力を求める。実施前2週間以内に発熱や風邪などの症状がある、または体調がすぐれない、感染拡大している地域への往来歴がある場合は参加を控えるよう呼びかけている。
 問い合わせは事務局の市文化振興課(℡88―9172)へ。