「松明あかし」伝統をつなぐ炎静かに

IMG_5900松明あかし① IMG_5772 松明あかし② IMG_5783 松明あかし⑤ IMG_5804 松明の客 420余年の歴史を持つ晩秋の須賀川を代表する風物詩「松明あかし」は14日、翠ケ丘公園五老山で行われた。伝統文化伝承に主眼を置き、今年は松明をもりたてる会が製作した松明(高さ約7㍍・直径約1㍍)1本のみに点火する本祭となった。関係者からは「来年こそ(通常開催を)」の声が多く聞かれた。
 松明あかしは戦国時代に須賀川地方を治めていた二階堂氏と奥州の雄伊達氏との激戦で命を落とした兵士の魂を慰めるために続けられてきた伝統と歴史を誇る催し。
 毎年、巨大松明を人力のみで担ぎまちなかから五老山を目指す大松明行列や手作りの小松明が山頂へ続く小松明行列をはじめ、おもてなし広場、松明太鼓演奏など市内外から10万人を超える観光客が来場し20数本の燃え盛る松明を楽しんだ。
 今年は会場での密集・密接を避けるため、一般観覧を不可とし、松明をもりたてる会が9月中旬から約1カ月半かけて製作した松明1本の点火となったが、例年参加している15団体の法被を山頂に飾り、松明あかしに対する思いを表現し注目を集めた。
 松明に点火する御神火は須賀川城本丸跡に建てられた二階堂神社で奉受式を行い、五老山まで運ばれ、山頂に御神火が到着すると関係者から大きな拍手が自然と上がった。
 午後6時半からの点火式で実行委員長の橋本克也市長は「本来であれば県内外からお越しのたくさんの皆さんの歓声や太鼓演奏の中、紅蓮の炎が夜空を焦がす様子が見られるはずでしたが、今までとは違うこのような時期だからこそ、静かに燃え上がる松明の炎にこの地を築き上げてきた先人たちの思いをより強く重ねることが出来るものと思います。須賀川の人々がなぜこれからも松明を灯し続けようと考えているかを改めて深く感じる松明あかしになるのでは」と述べ、松明あかしを後世に伝えるため、市民や関係団体の協働により一層推進していきたいと協力を求めた。
 市民を代表して松明製作にあたった佐藤貴紀松明をもりたてる会代表は感謝とともに「今回のようなただ1本だけの松明は今年だけになるべくなるよう願っています」とあいさつした。
 御神火を担いだ会員が慎重に松明を登り、火がつくと松明を取り囲んだ関係者からだけでなく、近隣住宅からも拍手と歓声が上がった。
 山頂ではウルトラFMが松明あかしの様子をラジオとYouTubeで生放送し、tetteでんぜんホールでは過去の松明あかしの映像「魂の炎」を上映した。
 今年の松明製作から本祭までの収録映像は、市ホームページで後日配信する。