松明あかしの伝統継承へ本松明製作

松明の枠組みを作るもりたてる会メンバーたち(25日撮影)

 400有余年の歴史がある晩秋の須賀川を代表する伝統行事「松明あかし」は11月14日、新型コロナウイルス感染拡大防止で密状態を避けるため、翠ケ丘公園周辺を無観客状態にして今年も実施する。
 戦国時代に須賀川を治めていた二階堂家と奥州の覇者伊達家との戦で落命した両軍の兵士を弔うため、住民により長年受け継がれてきた。近年は11月第2土曜日に翠ケ丘公園五老山で20本を超える本松明に点火するほか奥州須賀川松明太鼓演奏、小松明行列、おもてなし広場など様々なイベントを行い、市内外から10万人以上が来場するイベントとして注目を集めていた。
 今年は新型コロナ禍により、釈迦堂川花火大会など他イベント同様に開催を見送る動きもあったが、7月の実行委員会で「伝統行事の継承」を主眼に実施を決め、五老山周辺を入山規制して「密状態」を避けた上で、松明をもりたてる会(佐藤貴紀会長)が製作した本松明一本のみを点火することを決めた。
 実行委員会で橋本克也市長は「新しい生活様式のもとで、住民生活と地域経済の両立を図ることは難しいものがあるが、毎年10万人を超える観覧者が全国的に集まり、感染拡大のリスクが伴う。世代を越えて脈々と受け継がれてきた伝統行事の継承を主眼とし今年も受け継いでまいりたい」と理解を求めた。
 例年の大松明・姫松明行列、小松明製作・行列なども一切行わず、tette1階西側でんぜんホールで過去の松明あかしや今年の松明製作映像を上映するほか、午後5時半頃に二階堂神社で御神火奉受式を行うが、御神火は市内を巡回せず、五老山に直接向かい、午後6時半に点火する。
 松明をもりたてる会は本松明を9月から市ふれあいセンターで毎週末製作し、25日に松明の骨組みが出来、最終段階の萱詰めは11月1日に行う。
 松明製作は毎回もりたてる会メンバーら20人前後が協力してきた。毎年製作してきた大松明(全高10㍍)でなく今年は本松明(7㍍)とひと回り小さなサイズで、密状態を避けるために人力で運ばす、当日クレーン車で立てることとなる。
 佐藤会長は「今年も松明あかしができること、とてもありがたく思います。1本だけですがしっかりと伝統を受け継ぎ来年につなげていきたい」と話した。
 なお松明あかしの前夜祭となる11月13日の八幡山衍義も今年は地元町内会役員だけでしめやかに行う。