11月27日から東北唯一の「春の院展」

福島展に展示される那波多目の「錦秋」

 日本美術院と須賀川市立博物館の第75回春の院展福島展は11月27日から12月20日まで24日間開かれ、日本画壇第一人者の那波多目功一をはじめ、院展の同人による作品39点が並ぶ。全国的な巡回展だが新型コロナの影響で特に上半期の中止が相次ぎ、東北地方では福島展が唯一で、県内では昭和62年以来33年ぶりの開催となり注目を集めている。
 昭和45年8月に開館した市立博物館が今年50周年を迎えたことを記念し、日本美術院の協力で実現した。
 日本美術院は岡倉天心が創始し、市ゆかりの日本画家・須田?中や須賀川牡丹園に通い牡丹画を描き続けた松尾敏男らも所属していた。天心の意志を受け継ぎ、日本画の革新を追求し続けている。
 春の院展は昭和20年に「日本美術院小品展覧会」として始まり、34年に「日本美術院春季展覧会」、昭和45年に「春の院展」として現在まで続いている。秋の院展に比べサイズが限定されるため、実験的な作品が多く、細部に至る書き込みも注目の一つとされる。
 福島展は20回以上入選した同人(どうにん)39人の作品のみをピックアップした。また県在住の齋藤勝正や浅野英明、棚倉町出身の日本画家・藁谷耕人を父に持つ藁谷実ら、県にゆかりのある作家の作品も集めた。
 艷やかに実る柿の木を描いた那波多目「錦秋」、独特のタッチで自然を切り取った伊藤髟耳「山のふもとに住む」、古い家並の上空に満月が浮かぶ田渕俊夫「明日香心象 月明かり」など、現代日本画壇の新鋭・巨匠が追い続ける新しい美を鑑賞できる。
 初日は那波多目、藁谷の両氏が訪れ、サイン入り図録を15部限定で販売する。そのほかポストカードなども購入できる。
 観覧は一般500円、中学生以下と70歳以上は無料。
 開館時間は午前9時から午後5時まで。
 混雑を避けて観覧できるよう、毎週土曜日は「絵画を楽しむイブニングミュージアム」として午後7時まで延長する。
 会期中の休館は毎週月曜日。
 問い合わせは同館(℡75―3239)まで。