来年度当初予算規模は通常フレームに移行

令和3年度当初予算編成方針を訓示する橋本市長

 須賀川市の令和3年度当初予算編成方針説明会は4日、各部課長や担当職員らが出席して市役所で開かれた。
 橋本市長は予算編成にあたり、「来年度は第8次総合計画の4年目を迎え、目標達成へ推進するとともに、持続可能な財政運営を堅持することが必要です。震災から間もなく10年を迎える。これまで国の手厚い財政支援により復旧事業を優先して手掛けるため財政規模のかさ上げを図ってきたが、これからは人口減少や新型コロナの影響、普通交付税合併算定替の特例終了などにより財源確保はさらなる困難が予想される。昨年度予算は台風19号対応などにより結果的に想定していた予算規模を上回ることとなったが、令和3年度はさらなる行政課題に対応しながら、市民サービスの質を低下させることなく、事務事業優先度評価結果を踏まえた事業単位の一件査定方式による予算編成を引き続き実施する。成果向上力の低い事業の縮減・廃止・休止による積極的な事務事業の見直しを図り、組織横断的な取り組みで、第8次総合計画と第2期まち・ひと・しごと総合計画の推進へメリハリある予算編成をお願いしたい。今回の組織機構改編後初の予算であり、財政運営に緊張感を持ち取り組むことを期待したい」と訓示し、各担当部課長に目標値の達成に向けて職員の英知を結集して取り組むよう求めた。
 説明会は当初予算編成方針、スケジュール、財政状況と今後の見通しについて担当職員が報告した。
 令和元年度一般会計決算における実質収支額は約15億2000万円で前年度との比較で約1億円増加しているが、令和2年度補正予算で新型コロナ対策を予算化する財源として繰越金を一定程度確保する必要があったことから、財政調整基金から約5億円を繰り入れたことによるもので実質的には減少した。
 市財政の健全性を示す実質公債費比率や将来負担比率などの財政健全化指標は、国が定める早期健全化基準を下回っているが、経済収支比率は平成29年度以降上昇傾向にあり、令和元年度は96・4%でこれまでで最も高く財政運営の硬直化がさらに進行している。
 加えて昨年10月の台風19号災害は市内広範囲に被災箇所が広がり、国の制度を最大限活用して災害復旧と被災者支援に取り組んでいるが、復旧事業は多くが繰越事業となり、今年度決算にも影響が続くと見込まれ、近年の大きな気候変動はこれまでの防災・減災対策のレベルと1段階押し上げることとなり、市財政に対して極めて大きな影響を及ぼす懸念がある。
 令和2年度で震災から10年が経過することから、財政運営の主軸を震災復興フレームから通常ベースへ転換していくため、段階的な歳出規模のスリム化を図る財政運営を目指してきたが、台風19号と新型コロナによる社会経済活動への影響は前例のない事態であり、今後の財政見通しを予測することは極めて困難が状況ある。
 特に一般財源は感染症対策の緊急経済対策として令和3年度に実施される固定資産税の軽減措置による減収額は全額国費で補てんされる。
 しかし市民税は不要不急の外出自粛や事業者への休業要請によって企業の生産活動や市民の消費活動に対し過去に例を見ない著しいマイナスの影響を与えており、今回のコロナ危機はリーマンショック時を超えるこれまでにない減収が長期化することが懸念されることから、縮小を余儀なくされる財政規模の中で、これまで以上に効果的かつ効率的な財政運営が求められる。
 これらを踏まえ、令和3年度は感染症予防と社会経済活動の両立を図る「新たな日常」にいち早く対応するための取り組みを推進するとともに、今回のコロナ危機により縮小を余儀なくされる地方財政の実情を受け入れた上で、歳入減少をカバーし、持続可能な財政運営を堅持していくため、経常経費であっても例外なくさらなる効率化を図り、徹底的なコスト縮減に取り組む予算編成を目指す。
 施策内の事務事業優先度評価結果を踏まえた事業単位の1件査定方式による予算編成を昨年度に引き続き実施するとともに、令和3年度の予算要求にあたっては、コロナ対応に伴い、各種事業計画期間の延長や規模の縮小など、事務事業の見直しを行わなければならない時期でもあることから、休止や廃止などを含めた検討を進める。