守られない横断歩行者優先、意識改革を

横断歩行者を待ち、ルールを守るドライバー

 歩行者や自転車が横断歩道で交通事故に遭う被害が続いている。昨年死亡事故が発生した須賀川信用金庫本店前の横断歩道で今月も自転車と自動車による事故が発生したとの情報もあり、ドライバーの意識改善が求められる。阿武隈時報社が同所で21日午前10時から午後0時まで調べたところ、横断歩行者がいる状態で自動車27台が無視して通過し、停車したのは11台だけだった。
 調査中に横断した歩行者は34組で、都道府県をまたぐ移動の自粛要請解除後初めての週末だったこともあり、親子連れも多かった。このうち自動車に無視されたのは15組で、自動車が来ないタイミングに渡った人も約半数程度いたため、かなりの割合で横断歩行者が無視されている状況が確認できた。
 須賀川署によると横断歩行者が被害に遭う事故は今年1月から5月末まで8件発生している。相次ぐ事故を未然に防ぐため、昨年から毎月1日と15日を「横断歩行者妨害摘発強化日」に設定した。1月1日から4月末まで82件の横断歩行者等妨害違反を取り締まるなど、運転者の歩行者保護意識の欠如を正してきたが、未だに違反者は後をたたない。
 また同署によると、違反者の多くは「歩行者に気づかなかった」「脇見をしていた」などと違反の理由を上げている。
 管内の交通関係団体と須賀川署は平成22年に小学生が横断歩行中に信号無視の車にはねられ、貴い命が失われた事故を受け、『交通安全「ありがとう」運動』を展開し、交通マナーアップを働きかけてきた。
 犠牲となった小学生が普段から口にしていた「ありがとう」の言葉を基にした啓発メッセージで、現在も同署入り口に掲げられている。
 内容は交通事故を防ぐため、「自動車運転者は『横断歩道できちんと安全を確認して待っていてありがとう。どうぞ渡って』、横断者は『止まってくれてありがとう』をはじめとし、すべてについてこの精神を貫くことであります。それには、行動を起こすことが不可欠です」としている。
 夏の交通事故防止県民総ぐるみ運動は7月16日から25日まで全県下で実施される。また週末を中心に県外などの観光客も徐々に増えつつある。
 すべてのドライバーにもう一度交通ルール、マナーの遵守が求められている。