特報 岩瀬キュウリ「スマート農業」で

キュウリを定植し新たな挑戦へ第一歩を踏み出す

 須賀川市北山寺町の福島タネセンター(橋本克美代表取締役)は吉美根地内に設置した新たな試験農場「エフシードラボ」で、ソフトウェアによる環境の管理やロボットを使った防除・収穫作業など、いわゆる「スマート農業」の手法を使った岩瀬キュウリの栽培を開始した。橋本代表は「若者にも魅力を感じられる岩瀬キュウリ栽培で、地域を元気づけるきっかけづくりができれば」と力を込める。
 エフシードラボはハウス栽培の農場で、専用のソフトウェアを使い気温に応じたカーテンの開閉や二酸化炭素の供給など総合的な施設環境をパソコンなどで管理することができる。
 また1、2年をかけて防除・収穫作業にロボットを導入し、栽培可能な面積を広げていく考えである。
 試みの背景には、特にキュウリ農家で顕著となっている後継者不足の現実がある。一般にキュウリは苗の弱さや収穫作業、収穫ピーク後の手入れなど大きな手間がかかるため、現在栽培を続けている60代から70代の農家も後を継がせることに二の足を踏む傾向がある。昭和40年代から平成初期まで全国でも有数のキュウリ産地であった当地方でも生産量は減少を続けている。
 同社はソフトウェアによる環境管理、ロボット導入、肥料技術の3つを軸に、より少ない手間で安定した収穫、秀品率を実現し、若者にとっても魅力あるキュウリ作りの土台を広げていく意向である。
 今年は試験的に13アールを栽培し、40㌧の収穫を目指す。また2年後までに50㌃、5年後には1㌶と規模を広げていきたいとしている。
 今年の定植作業は15日に約10人で行われ、6月中旬から収穫が始まり、11月上旬頃まで栽培を続ける。
 橋本代表は「今後は4月に定植し、11月上旬頃までキュウリを育てるサイクルを想定している。これが安定すると、12月から3月までは農場を休みにでき、キュウリ農家が副業や趣味に費やせる時間を生み出せる。こうした農業の働き方改革にも挑戦していきたい。これらの取り組みが、岩瀬キュウリの維持・拡大につながれば」と語る。
 須賀川から始まった岩瀬キュウリの新たな挑戦に今後も注目される。