新型コロナ緊急事態解除に安どの声も課題

店内の座席数を減らして3密回避を工夫 とり峰

 政府は14日、新型コロナウイルス特措法に基づき国民に不要不急の外出を避けるなどを要請する緊急事態宣言を、福島を含む全国39県で解除した。同日夜の記者会見で安倍晋三首相が「感染拡大を防止できるレベルにまで抑え込むことができた」と決定理由を説明したもので、須賀川市内の飲食店からは「ほっとひと安心といったところ」と安どの声が聞かれた一方で、小学校に通う子どもを持つ保護者からは「(18日の)再開後の学校生活がどうなるのか分からないので不安です」と困惑する声も聞かれた。
 内堀雅雄県知事は緊急事態宣言が解除されたことを受けて、県内一部施設・事業所に出していた休業要請を15日に解除した。須賀川・岩瀬地方でも要請に応じていたパチンコ店などが16日から営業再開を周知している。
 新型コロナウイルスの全国的な感染は須賀川・岩瀬地方にも暗い影を落とし、4月2日の市内初感染を境に、外出・外食自粛や公共施設の休館など市民生活に大きな影響を及ぼした。大型連休中も目抜き通りを中心に人通りがめっきり無くなり、飲食・観光・宿泊業を中心に深刻な経営打撃を受けた。阿武隈時報社の調べでは少なくとも飲食店2店が閉店を余儀なくされた。

18日の学校再開へ勉学に励む須二小児童

 須賀川市は緊急事態宣言解除を受けて15日午後、市対策本部会議を開き、公共施設利用再開時期などについて協議した。小中学校は5月に入り分散登校や児童預かりなど対応してきたが、18日からの段階的な再開が決まった。
 飲食店関係者からは「緊急事態宣言解除はありがたいが、どのタイミングで以前のようなお客様の来店を見込めるか不透明」とし、引き続き営業時間を短縮するなどして宅配やテイクアウトに力を入れる考えを示した。
 只野誠一郎飲食店組合長(天山)は「今月いっぱいは仕込みや準備をして6月1日のオープンを予定している」と慎重な姿勢を見せ、宣言解除でも即座に営業再開する店は少ないかもしれないと取材に答えた。
 味戸雄二郎商工会議所旅館料飲部会長(ホテルサンルート須賀川)は「(国の)飲食店に対する新たな助成金が拡充されるとの情報もあり期待している。売り上げの激減は正直痛いが、いち早く独自の支援策を打ち出した須賀川市の対応に感謝したい」と話した。
 18日から営業再開する焼き鳥とり峰(本町)は「今後もテイクアウトは続けていくが、お客様に安全安心を提供出来るよう、店内の座席数を少なくするなどして3密を避けたい」とした。
 中学3年生の保護者は「部活や中体連が最終的にどうなるかがまずは心配。高校受験も控えているため、授業の遅れをどう取り戻していくか。ある程度の長期休暇削減は覚悟しているが」と具体的な方針が打ち出されていないため、宣言解除を手放しで喜べない複雑な心境を明かした。
 緊急事態宣言は解除されたが、世界的にみても感染再拡大への懸念は解消されていない。国など関係機関は、今月いっぱいは県境を越える不要不急な往来の自粛、マスク着用や手洗いの徹底、感染防止策の整わない大規模イベントの中止や延期を引き続き求めている。