特報 新型コロナウイルスの打撃深刻

人通りがぱったりと無くなった夜の目抜き通り

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で須賀川市内の飲食・宿泊・観光業を中心に打撃を受けていたが、2日の市内初感染発生以降、さらに深刻な状況に陥り始めていることが分かってきた。「東日本大震災直後よりも先が見通せない。このままでは営業を続けられない」、「あまりにも人のいない須賀川に大きな衝撃を受けた」との声が聞かれている。
 目抜き通り沿いで休業を余儀なくされた飲食店も数店あり、スナックやクラブなども深刻な影響で休業や廃業を意識し始めているとの情報がある。
 阿武隈時報社では市内の現状を把握するため、7日を中心に飲食業だけでなく幅広い業種を取材し現状把握に努めたが、想像以上の事態が須賀川経済全体を覆い尽くそうとしていることが明らかになった。
 味戸雄二郎商工会議所旅館料飲部会長は「宿泊業は2日の発生報道以降、落ち込みが激しい」と話す。新型コロナウイルスの影響で徐々に宿泊稼働率は下がっていたが、3日以降は「須賀川そのものが敬遠されている」とし、市内の宿泊業全体で前年売り上げの20~40%台まで落ち込んでいる。
 3月中は不特定多数が集う総会や宴会のキャンセルが中心だったが、10人以下の小宴会や2・3人程度の会合もキャンセルが続き、「客足そのものがぱったりと無くなった」と話す。
 居酒屋小粋(八幡町)では「感染者が居酒屋勤務と言うことでお客さんがほとんど来なくなった。他店とも情報交換しているが、従業員の多い店ほど厳しく、この状態が半年も続けば、どこも持たないとも聞いている」。
 一方で「お客さんが来るとうれしい反面、(感染の)不安もある。そのため出勤できない従業員もいる」と複雑な心境を打ち明ける。
 シェイシェイら~麺勝樹(牛袋町)は「3日からお客さんがほとんど来なくなった。今の季節は釈迦堂川沿いのサクラを見るお客さんで忙しくなるはずなのに」と表情を曇らせていた。
 このほか旅行業も予約キャンセルが続き、新しい旅行プランの提供も難しくなってきたとの声もある。
 花見団子などを販売する菓子店からも「(7日現在で)目に見えるほど影響は無いが、毎年のようにはお客さんが出回らない」と近江屋菓子店(大町)。
 卒業式や入学式などで写真撮影する、タルカワスタジオ(大町)も「学校など教育関係の行事が中止・縮小となり撮影の仕事が減っている。今後もこの状況が続くと困る」とため息をもらした。
 遊技場も目に見えて客足が落ち込み始めており、某パチンコ店店長は「3日からお客さまのご来場が驚くほど減っています」と話すほどで、店内の遊技台は空席が目立つ状況となっている。
 建設業も中国からの資材が届かないなどの影響が出ており、星野工務店(堀込)は「できることを探しながら見つけながらの仕事のため平年の2倍近く忙しい。企業努力でなんとか売り上げを保っているが、新築着工やリフォーム延期が多数で今後の影響はまだ分からない」と話した。
 世界的な新型コロナ感染の影響で原材料不足や大企業の営業停止などにより、市内生産業も稼働ラインを少なくするなどで対応しているが、今後の状況次第では営業停止もやむを得ないとの声が聞かれている。
 某飲食店営業者は「従業員の雇用を何よりも守りたいが、企業努力だけではどうにもならない状況が来るかもしれない。市内発生が続くようであれば、10軒ではきかない数の休業・閉店が相次ぎ、市内経済は立ち直れないほどのダメージを受ける恐れがある」と声を震わせていた。
 実際に7日夜の中心市街地を歩いてみたが、普段であればにぎわいが見られる松明通りも家路を急ぐ市民のほかの姿は見られなかった。
 味戸旅館料飲部会長は「ご家庭でお店の味を楽しんでいただけるよう、加盟店でテイクアウト商品を提供しています。厳しい状況ですが、市内一丸となって乗り越えていけるようお互いに頑張りましょう」と話している。