阿武隈川で試験採捕始まる

 東京電力福島第一原発事故の影響で休止していた阿武隈川水系での漁業・採捕について、阿武隈川漁業協同組合は1日からイワナなど5種類の試験採捕を開始し、試験採捕(組合員加入事前体験)許可証の無料発行を始めた。
 今回試験採捕が可能となったのはアユ、コイ、ウグイ、イワナ、フナの5種類で、採った魚をリリースすることが採捕の条件となる。
 イワナとフナは上流のみの範囲。期間は9月30日までで、参加する組合員や許可証を得た一般の人(体験組合員)は採捕の日時や釣り上げた数などを同漁協に報告する必要がある。
 須賀川支部(鈴木裕支部長)では、須賀川の伝統であり食文化として根付いている漁業の一日も早い再開を目指し、昨年度は延べ444人が県内支部最多となる177検体を採捕するなど活発な活動を続けてきた。
 今回の試験採捕開始を受け鈴木支部長は「原発事故から10年目を迎え、ようやくここまでたどり着いた」とこれまでの活動が実ったことを喜ぶ。「市内近辺で採れる魚はいずれも30ベクレルを下回っており、来年には漁業解禁も期待される。この10年で組合員はより高齢化し、人数も減っている。そのため次の世代にこの漁業の文化をつなげることが大きな課題と感じている」と今後を見据えた。
 そのため、昨年の台風19号で被害を受けた市内西川の須賀川釣仙郷を取得し、復旧工事を進めて、周辺の環境にも恵まれた釣り場を次世代につなぐための拠点にも活用したいと考えている。
 試験採捕の問い合わせは同漁協(℡024―553―0488)まで。