市指定文化財に栄町遺跡出土品21点など指定

無形民俗文化財指定の「狸森南上組自奉楽」

 須賀川市は新たに3件の文化財を指定した。新たに指定したのは、有形文化財が栄町遺跡石背郡衙郡庁出土品21点、無形文化財が須賀川絵幟、無形民俗文化財が狸森南上組自奉楽。今回の指定で市指定文化財は計109件となった。
 昨年11月の文化財保護審議会の答申を受け、12月の教育委員会会議で議決した。近年では平成30年に「芭蕉・曽良・等躬三子三筆詩箋」と「相楽等躬直筆短冊」を指定した。
 市文化財指定の内訳は国指定文化財8件(重要文化財3件、史跡4件、名称1件)、県指定文化財20件(重要文化財11件、史跡3件、天然記念物4件、重要無形民俗文化財1件、重要有形民俗文化財1件)、市指定文化財109件(有形文化財69件、史跡16件、天然記念物12件、無形民俗文化財9件、有形民俗文化財2件、無形文化財1件)、国登録文化財3件(建造物3件)、国指定重要美術品3件となった。
 指定文化財の概要は次の通り。
◇栄町遺跡石背郡衙郡庁院出土品21点▽市歴史民俗資料館収蔵▽指定事由=栄町遺跡はJR須賀川駅前の7世紀後半から10世紀にかけての郡衙・郡庁跡。遺物は官衙で多く出土する陶硯類、正倉院踏み箱を土器で模したと考えられる方形皿、関東地方から直接搬入された可能性が高い土師器など。特に9世紀代の掘立柱建物跡から出土した「石瀬」と書かれた墨書土器など、現時点で確認されている遺物の中から特筆すべきものを抽出した
◇須賀川絵幟▽保持者=大野修司(市並木町・工芸技術)▽指定事由=亜欧堂田善が節句の飾りとして描いたのが始まりと言われ、明治時代から現代まで田善の技術と作風を受け継いでいる。平成4年にただ一人の継承者となった第5代青峰を市指定無形文化財に指定したが、平成14年の死去に伴い指定・認定解除となった。須賀川絵幟の技法は第6代大野修司氏に継承され、貴重な手書き絵付けの技術を受け継いでいる。近年は色やデザインに現代感覚を盛り込むなど新たな作成に取り組むとともに、後継者育成など伝統技術の発展・継承に尽力。改めて須賀川絵幟を無形文化財として指定し、大野氏を伝統技術の保持者として認定し保護を図る
◇狸森南上組自奉楽▽保持団体=同自奉楽保存会▽指定事由=市内狸森地区に伝わる民俗芸能で、宝暦2年に荒廃していた古寺山白山寺の住職が再建を志して法楽を編成し、村の若者たちが各地で興行して浄財を集めたことが由来と言われる。当該自奉楽は、「最初に太郎・次郎・女獅子の3匹が舞う「獅子舞」と傘鉾を中心に踊り子たちが輪を作り木製の鍬を持って踊る「平鍬踊り」で構成する。自奉楽は中通り南部を中心とした地域特有の民俗芸能に属し、狸森南上組自奉楽は古寺山(県指定)・大栗(市指定)とともに市東部地区特有の民俗芸能で貴重な事例として価値が高く保護を図っていく。