“希望の光”晩秋照らす「松明あかし」

“希望の光”となった24本の巨大松明

 420余年の歴史を持つ須賀川の晩秋を代表する伝統行事「松明あかし」は9日、翠ケ丘公園五老山山頂をメイン会場に開かれ、24本の松明の炎が“希望の光”となって来場者に勇気と元気を届けた。
 松明あかしは戦国時代に須賀川を治めていた二階堂氏が伊達軍に滅ぼされた合戦で、命を落とした両軍の御霊を弔うため、ムジナ狩りなどと称して住民の間で脈々と受け継がれてきた。
 20本を超える火柱が夜空を焦がす奇祭として全国にも知られ、昨年は初冬の季語として俳句歳時記に収載された。イタリアにも類似する火祭りがあり、その縁やSNSなどの情報発信により、欧州やアジア圏からも年々多くの観光客が足を運んでいる。
 須賀川信金本店営業部駐車場におもてなし広場が、翠ケ丘公園花見広場にはおもてなしフードコートが設けられ、戦国鍋や戦国スープ、地元名店のおすすめグルメなどで観光客らをお出迎えした。
 信金職員らによる鎧武者との記念撮影、イベント参加用の小松明作り体験、ふるさとガイドの会による二階堂家ゆかりの地巡りなども注目を集めていた。
 須賀川三中と須賀川一中生徒による本松明行列、市内外の若者や女性らによる大松明・姫松明行列は松明通りや馬町商店会などを経由して山頂まで約1・3㌔を巡行し、重さ約3㌧の大松明が夕闇の中で人力のみで立てられると、会場の各所から拍手と歓声が上がった。
 旧須賀川城本丸跡にあたる二階堂神社から岩瀬郡市陸協ランナー25人に御神火が託され、炎の列がまちなかをぐるりと巡って山頂に向かった。
 奥州須賀川松明太鼓保存会と小若組による勇壮な太鼓演奏が会場を盛り上げ、多くの来場者が見守る中で点火役の男性が「これが令和元年の松明点火だ」と力強く宣言して大松明から順に全24本に点火した。
 ごうごうと巨大松明が次々と炎に包まれ、学生たちは自作の松明に応援歌とエールを送り、沿道や会場周辺は火柱をひと目見ようと市内外から多くの観光客でひしめいていた。
 五老山ふもとに設置された「松明あかし」季語収載記念碑も俳句愛好者らの話題を呼んだ。