台風19号で4400棟浸水被害か

浸水家屋調査と対応について説明を聞く住民

 13日未明に本県を直撃した台風19号は須賀川・岩瀬地方にも甚大な水害をもたらし、16日午前8時半現在においてもその全容は明らかになっていない。須賀川市の調べでは阿武隈川・釈迦堂川流域など浸水区域内12地域で約4400棟が被害を受けたとの情報もあり、時間が経つにつれてこれまでにない深刻な被害状況が報告されている。
 各市町村の調べではこれまでのところ、須賀川市館取町で釈迦堂川近くのアパートに1人暮らししていた高齢男女2人の死亡が確認された(既報)ほか、郡山市田村町の黒石川で天栄村の母と小学1年生親子の遺体が発見された。一緒にいたと見られる小学4年生の長男がいまも行方不明のまま。そのほかの新たなけが人報告は発表されていない。
 記録的な大雨を降らせた台風19号は須賀川市と鏡石町の広い範囲で甚大な被害を及ぼし、その被害全容は各自治体が懸命の調査を進めているが、現段階において特に農地被害の調査にかなりの時間が見込まれる。
 各地で被災家屋から運び出された家電や家具などが山のように積まれていたり、浸水区域で今も泥や流木などが積み重なっていたりと、流域世帯が日常を取り戻せるまでにはまだ至っていない。
 須賀川市の16日午前8時半現在の調べでは、床上・床下浸水被害状況は現在調査中だが、概ね浸水区域内12地域で約4400棟が被害を受けたものとみられ、詳細な調査により被害棟数が増減することもある。
 農地被害調査は15日から本格的に始まり、これまでのところ全域の約3分の1程度まで進んだ。各地で農道やため池、水路、法面に深刻な被害が確認されたほか、東部・浜尾地区を中心に水田やリンゴ園などに泥が流れ込むなど情報はあるが、被災全容の把握にまでは至っていない。刈り取りを控えた水稲が水をかぶるなどして稲刈り時期が遅れているなどの情報もある。
 避難所は16日も引き続き開設しており、午前5時現在で53世帯118人が身を寄せている。
 また国土交通省は浜尾地区の阿武隈川上流で発生した堤防の決壊原因調査と復旧方法検討のための有識者からなる「阿武隈川上流堤防調査委員会」を設置し、16日午前11時から現地調査を行った。
 鏡石町の16日午前9時現在の調査報告では、阿武隈川が決壊した成田地区で住宅地の床上浸水81世帯、床下4世帯の被害のほか、工場や事業所、笠石や久来石からも床下被害報告があり、被災件数については詳細を現在調査中。町社会福祉協議会で被災家屋から大物家具などを運び出すボランティアを求めていたが、16日で概ね作業完了した。別途必要に応じてボランティアを募る。
 成田地区の決壊3カ所については16日から応急補修作業が始まると県から情報が入っているほか、国の協力でライブカメラを設置し、町役場において河川の状況を随時確認できる状況が整った。
 また災害ゴミについては鳥見山北側駐車場に収集場所を設け、随時受け付けを行っている。被災住宅の消毒作業も順次実施され、町建設業協同組合による被災地域道路の泥やゴミの撤去が始まった。