台風19号 想定上回る最大規模の被害

13 日未明に浸水した館取町地内の住宅、1階部分が濁流の下に(13日午前2時頃撮影)

 13日未明に本県を直撃した台風19号は須賀川・岩瀬地方に甚大な被害を及ぼし、須賀川市と鏡石町は釈迦堂川・阿武隈川流域を中心に多数の建物被害、農作物被害などが報告されている。14日朝に市内館取町で高齢男女2人の死亡報告があり、被害全容は現在の調査結果がまとまってから明らかになる見込み。
 台風に伴う風は12日夕方から急激に強まり、午後9時過ぎに阿武隈川と釈迦堂川の水位が氾濫危険水位を超えた。13日午前0時前後から下江持橋下流、滑川中町、岩渕地区などで水があふれ出し、市内各所で浸水被害が報告され始めた。
 市は自主避難者対応の市武道館をはじめ、各学校体育館や公民館など18カ所に避難所を開設、保健センターや介護施設(やまゆり、エルピス、愛寿園)に福祉避難所、滑川公民館など5カ所に各地区の自主防災組織が避難所を設け、最高で427世帯1059人が身を寄せた。

濁流が道路を遮断し、水田や畑に流れ出す(鏡石町成田地区)

 15日午前8時半現在の市の被害状況は、建物の床上・床下浸水は各地区で多数に及び被害件数の把握には至っていない。土砂崩れによる被害報告は無い。
 浸水被害は江持、浜尾、中宿、下宿、滑川、丸田町、岩渕、館取町、卸町など広範囲に及び、14日午前11時に阿武隈川浜尾地区で堤防の決壊が確認された。
 農地被害調査は15日から本格的に始まるが、東部・浜尾地区はじめ多くの浸水地域で果樹や水田に泥が流れ込むなど深刻な被災情報がある。
 浸水地域の工場やコンビニエンスストアなども多数被害を受け、関係者の話では営業再開の見込みが立たない事業所も少なくない。

 一部情報によると、今回の台風は須賀川市ハザードマップで想定した最大浸水被害とほぼ同じレベルで、近年発生した台風被害(平成23年や8・5水害)をはるかに超える、最大規模の洪水被害をもたらしたと見られる。

一面が水没した浜尾地区の水田

 釈迦堂川や阿武隈川上流など当地域を含む広範囲で猛烈な雨が降り続き、尋常ではないスピードと水量が一度に川に流れ込んだため、内排水処理能力を超え一部地域で浸水被害が深刻なものとなった。
 鏡石町は成田地区で13日午前1時過ぎに阿武隈川が氾濫し、多数の農地と住宅が浸水する被害が発生した。一時80世帯が孤立したとの情報もあり、成田保健センターが避難所として開設し、46人が避難した。
 15日午前8時現在で建物被害は床上81世帯、床下4世帯、主要道路の通行は復旧しているが、阿武隈川に通じる農道など数カ所が通行不能。法面崩れなど多数報告があり、成田地区の広範囲において水田が浸水し被害状況の把握までには至っていない。
 天栄村への影響は、一時的に通行止めなどが発生したが、15日現在ですでに解消し、大きな被害は出ていない。
 農作物は水田へ土砂が流れ込むなどの被害が発生しているが、全容は現在調査を進めている。