天栄村のシンボル風力発電所撤去へ

約20年間稼働した風力発電所

 天栄村を代表する景観としても長年親しまれてきた湯本地区の風力発電所は間もなく耐用年数を迎え、村は発電所を今年度中に企業に引き渡す方向で調整を進めている。
 天栄村の風力発電所は村営スキー場(現在のスキーリゾート天栄)をグレードアップするため平成6年に事業構想を立ち上げた。尾根筋付近の強い風で発電し、電気をスキー場で利用することで電気供給とシンボル効果を狙った。
 接続や経費の問題からスキー場での利用は見送り、東北電力の送電線に接続し全量を売電する形で、内陸山岳部に導入された国内初の風力発電所として平成12年12月14日から供用を開始した。
 風車は750㌔㍗の4基で総出力は3000㌔㍗。2001年から2016年の年間平均発電量は491万㌔㍗で設備利用率は18・7%だった。
 建設費用は総額10億274万円で、新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助金を活用し、村は4億6925万円の負担で建設した。
 平成20年に風車への落雷で発電量が低下するなどあったが、売電単価が25年から引き上げられたことなどから、事業としては概ね黒字が続いている。
 地方自治体が再生可能エネルギーの発電施設を所有し、売電収入を村の予算に当てるなどの先進的な取り組みは各分野の注目を集めてきた。発電所の耐用年数は20年間で、村はこれまで耐用年数後の運用について検討を進めてきた。
 撤去費用に2億円程度を想定し、事業費の歳入から基金を積み立ててきた。同基金は撤去目的に限らず他の用途にも運用できる。
 耐用年数を超えるため今後のメンテナンスや補修、維持費などが上がることが予想され、また新たな建設も難しいことなどから、村の負担が少ない企業への引き渡しが検討された。
 村は引き渡し企業との調整を進め、今年2月に協定を結んだ。発電所は無償で譲渡し風車は撤去される見込みで、撤去費用は引き渡し企業が負担する。