阿武隈川水系の漁業復興の兆し

早期解禁に向けて協力を確認する会員たち

 阿武隈川漁業協同組合須賀川支部(鈴木裕支部長)による釈迦堂川や滑川、簀の子川など阿武隈川水系の漁業は、東日本大震災や東京電力原発事故後、放射線量の上昇により8年間にわたり休止されているが、検体採捕された魚の線量がここ数年で既定値を下回っていることから、漁業における復興の証となる解禁に向けた期待が高まっている。
 同支部の総会は1日、市労働福祉会館で開かれ、鈴木支部長は「原発事故による休止から8年が経過し、いよいよ先が見える段階になってきた。令和2年度の解禁を実現させるためにも、検体採取担当者及び各役員に一層の努力をお願いしたい」と協力を求めた。
 早期の解禁を目指し、モニタリング調査のための検体採捕を行っており、国や県に解禁に向けての判断を仰いでいる。今後は山沿いの河川での検体採捕を7月を目処に完了させ、いずれも規定値を超えなければ解禁が現実的となる。
 同支部は戦後の食糧不足の中、昭和27年に設立された。自ら放流・採捕して食料とする川魚の食文化は、当時の地域住民に根付き、原発事故まで続いていた。
 休止前の平成22年度はコイ350㌔、アユ100㌔、ウグイ250㌔、イワナ9000尾、ヤマメ1万尾、ワカサギ100万粒、ウナギ5㌔を放流していた。
 603人いた会員は、漁獲休止により現在は約200人まで減少したが、早期解禁に向けて対策に力を合わせてきた。
 平成30年に採取された検体の最大値は、県が制限する50ベクレル/㌔に対し、イワナは五百川と谷田川で不検出、滑川で20ベクレル/㌔、金喰川で28・9ベクレル/㌔、ヤマメは金喰川で17・1ベクレル/㌔など。
 同支部は解禁されたら安全な漁獲が望める釈迦堂川や滑川、隈戸川、簀の子川などに大量に放流する考えである。