文化伝承館名称は「風流のはじめ館」

「風流のはじめ館」鳥瞰イメージ

 松尾芭蕉来訪300年を記念して開設した須賀川市芭蕉記念館の機能を継承し、様々な文化交流拠点として計画を進めてきた(仮称)文化伝承館の正式名称が、芭蕉の俳句作品を元にした「風流のはじめ館」に決定した。7月から本町の旧須賀川郷学所跡地で建設し、2020年度内のオープンを目指す。
 15日に橋本克也市長が記者会見し、完成イメージ図とともに説明した。
 須賀川は俳聖松尾芭蕉が奥の細道の途次で、俳人で須賀川宿の町役人でもあった相楽等躬を訪ね、須賀川の地で7日間を過ごし、当地の名所旧跡を訪ねて、地元俳人らと句会を催した。以降、須賀川の俳句文化は脈々と引き継がれ、石井雨孝や市原多代女などの俳人を輩出し、現代の桔槹吟社などにつながっている。
 「風流のはじめ館」の名称決定には、高校生から一般、市民団体代表らが参加したワークショップを計3回開き、会合で出された名称案を基に最終9案から今回の決定に至った。

「風流のはじめ館」外観イメージ

 新館名称は芭蕉が須賀川の地で詠んだ「風流のはじめやおくの田植え唄」にちなんだもの。芭蕉が須賀川到着時に等躬から初めて陸奥(みちのく)に足を踏み入れた感想を尋ねられ、これから奥州に足を踏み入れていく心持が存分に込められた奥の細道を代表する作品の一つとして広く知られている。
 須賀川の代表的な文化である俳句を連想させる名称であり、芭蕉記念館から機能を継承することを踏まえた名称として選ばれた。
 建設地は本町の旧郷学所跡で、敷地面積2180平方㍍、延べ床面積730平方㍍。屋根伝いにつながった木造平屋建て2棟と季節を感じる日本庭園を配置し、県道とは多目的広場で連結する。自生するキンモクセイは施設のシンボルツリーとして残される。
 館内は3つのエリアに分かれ、俳句関係の展示スペースや和室などの「芭蕉・等躬の庵」、多目的室やラウンジなどの「郷学の間」、季節の移ろいを感じる里山をイメージした庭園「四季彩の庭」。
 今年7月から着工し、建物は今年度中に完成する。展示内容など最終確認を経て、2020年度内のオープンを目指していく。昨年10月に市指定文化財指定された「芭蕉・曽良・等躬三子三筆詩箋」のレプリカ作品の常時展示を予定している。
 また国交省と内閣府が選ぶ地方再生モデル都市(地方再生コンパクトシティ)に、須賀川市南部地区都市再整備計画(第2期)「資源の再生や活用・風流のまちづくり」が選ばれ、「風流のはじめ館」はその中核施設としても幅広い市民や来訪者の利用が期待される。