週に1度の『生きがい』へ「通いの場」づくり

男性も女性も楽しく運動する水曜会(須賀川市)

 高齢化社会に伴い要介護認定者数が年々増加傾向にあることが全国的に問題となる中、対策の一つとして住民が自主的に集会所などに週1回程度集い、介護予防体操など行う「通いの場」づくりを須賀川市や天栄村など、管内自治体で推進する動きが強まっている。参加者たちのハツラツとした笑顔に地域課題に対するヒントがみられた。
 厚生労働省は平成26年から「地域づくりによる介護予防推進支援事業」として、住民主体の介護予防を目的とする「通いの場」づくりを推進している。
 多くの自治体は「通いの場」を増やすため、説明会の開催や3カ月の期限付きで介護予防体操や健康講話などを講習する立ち上げ支援を行っている。
 須賀川市は26年から、各包括支援センターで多くの立ち上げ支援を展開してきたほか、今年は地域包括ケアシステム講演会でその必要性などを説明し、「通いの場」づくりに力を入れている。
 立ち上がった「通いの場」のうち特に活動が盛んな四丁目の水曜会は、75歳以上の後期高齢者約20人が毎週水曜日午後1時半から四丁目集会所に集まり、代表の小野口眞智子さんを中心に介護予防体操などに取り組んでいる。
 参加者たちが集まると一人ひとりの名前を読み上げて出席を取り、包括支援センターから指導された全身の各部位を動かす体操を始める。小野口さんが号令をかけながら全員で「イチ、ニイ、サン、シイ」と足腰や肩などを動かし、時折休憩をはさんで雑談したり、冗談を言い合ったりするなど和やかな雰囲気が漂う。
 体操が終わるとしばらく休憩し、ボケない小唄や若い頃の歌などで脳を活性化させる。
 参加者たちは「無理なく続けることが大事」と口をそろえる。「お互いに毎週顔を合わせるのがうれしい」「この時間は心も若い頃に戻ったよう」と明るい笑顔を見せる。
 家族が仕事のため日中不在にするなどの理由で、家では一人で過ごす高齢者にとって、かけがえのない交流の場になっているのだという。
 また同会の楽しげな雰囲気が地域に伝わり、新しく参加したいという人も現れている。

オリジナルのねぎ体操で介護予防に取り組む(天栄村)

 天栄村では今年から「通いの場」として「地域自主サロン」の支援を開始した。
 飯豊地区や高林地区など4箇所で説明会を開き、高齢者の社会参加や健康づくりを促進し、閉じこもりの防止、地域コミュニティづくりを促し、介護予防の強化を図っている。
 参加者には「みんなで集まる良いこと五箇条」として、出会いは会話が生まれる、豊かな表情が自然に生まれる、相手に合わせて話すと認知症予防に効果抜群などサロンの必要性を説明する。
 新聞紙で作った棒をネギに見立て、歌に合わせて踊るねぎ体操など直接的な介護予防の活動だけでなく、参加者が綿あめ機を持参して、お互いに手作りして振る舞うなど楽しさを生み出す工夫もみられる。
 両市村にみられる「無理なく」「楽しく」集まれる場作りは高齢者の介護予防につながるだけでなく、生きがいづくりの一つとして今後も注目される。
 立ち上げ支援や参加などの問い合わせは各地域の包括支援センターまで。