上人壇廃寺跡北側一部を国史跡に追加

 国の文化審議会は16日、須賀川市の上人壇廃寺跡北側の一部を国史跡に追加するよう柴山雅彦文科相に答申した。今回追加指定を受ける見通しなのは、地権者の同意が得られた約1596平方㍍部分で、掘立柱建物跡が発見されている。
 上人壇廃寺跡は今から1300年前の奈良時代に現在の東北地方南部にあった陸奥国から石背国が分置された時期に創建された寺院跡で、JR須賀川駅東側に位置する。
 これまでの発掘調査で、古代石背郡・石背国と関わりのある寺院跡と判明し、一辺約80㍍の区画に、南門、金堂、講堂が一列に並ぶ特異な伽藍配置であることが分かっている。
 寺院内からは土師器や須江器、瓦などのほか、全国的に類例が少ない奈良時代の六角形の瓦塔(がとう)や平安時代の金鼓(きんこ)、経軸端などが出土し、上人壇廃寺跡の東側を古代の官道である東山寺が南北に縦断していたと推定される。
 廃寺跡周辺には当時の役所にあたる郡衙(ぐんが)の栄町遺跡や米山寺跡、官人集落や駅家の可能性があるうまや遺跡など関連遺跡が確認されている。
 昭和36年に東北本線複線化に伴う発掘調査が始まり、43年、57年、平成12年に2度の追加を含めて国史跡指定(計約1万4000平方㍍)を受けた。
 今年9月には国指定50年を記念してワークショップ「復活!上人壇廃寺跡」を実施し、市内外から多くの歴史愛好家が参加した。