17日に百花の王に感謝を込めて「牡丹焚火」

中央広場に用意された牡丹焚火用炉

 天寿を全うした牡丹の古木を火にくべ、感謝とともに百花の王の最期を静かに彩る「牡丹焚火(たきび)」は、17日午後4時半から須賀川牡丹園中央広場で行われる。園内の紅葉が最後の見頃を迎える中、広場には焚き火用の炉が用意されている。
 牡丹焚火は環境省が認定するかおり風景100選にも選ばれ、その幻想的な風景は俳句の季語を監修した歳時記にも掲載され、毎年県内外から多くの俳人らも足を運んでいる。
 須賀川の晩秋から初冬を代表する風物詩としても定着しているが、大正期に牡丹園を管理していた柳沼翁が始めたことをきっかけにしている。
 柳沼翁は自身も俳人として活動していたが、当時親交のあった北原白秋や原石鼎らを招いたほか、その光景に影響を受けた作家の吉川英治は「宮本武蔵」第4巻で立ち会いに臨んだ武蔵の無事な帰還を願い京の遊女が牡丹を火にくべる一幕が登場する。
 牡丹焚火の前半は古木から立ち上る炎と火の粉が暮れゆく夕闇を焦がさんばかりに燃え盛り、中央広場そばに立つ大ケヤキの影との独特の競演を見せる。火勢が落ち着く後半は古木を包むような炎が徐々に赤から青紫へと色を変え、炉の周りにはなんともいえない牡丹焚火特有のかぐわしい香りに包まれる。この幻想的な風景が、環境省のかおり風景百選として平成13年に選ばれた。
 また桔槹吟社による牡丹焚火講演会が午後2時から約1時間半、焚火終了の午後6時20分から俳句会をそれぞれ牡丹園向かいの産業会館で開く。
 講演会は講師に山形県出身で俳誌「一葦(いちい)」(島谷征良主宰)同人の細谷喨々さんを迎えて「いのちと俳句」をテーマに開く。細谷さんは小児科医師としても活動し、看取った多くの子どもたちの想いや思い出をリュックに詰めて四国八十八カ所札所の歩き遍路などもしている。講演会のみの参加もできる。
 牡丹焚火俳句大会で詠まれ特選句に選ばれた作品は、後日あぶくま時報紙面でも紹介する予定となっている。