晩秋の風物詩「松明あかし」夜空を焦がす

多くの観光客でにぎわう五老山山頂

 420余年の歴史を誇る須賀川の晩秋を代表する動の炎の祭典「松明あかし」は10日、翠ケ丘公園五老山山頂周辺などを会場に今年も盛大に行われ、全27本の炎の柱に国内外から訪れた来場者らが酔いしれた。
 須賀川地方を治めた二階堂家と伊達軍のし烈な争いで犠牲となった両軍の犠牲者を弔うためにむじな追いとして始まり、現代まで受け継がれている。日本三大火祭りの一つとしても広くPRしている。
 松明通りでは須賀川一中、須賀川三中生徒ら総勢約400人による本松明行列、市民有志をはじめとした屈強な男衆とたおやかな女衆ら約200人による大松明・姫松明行列は沿道に多くの観光客らが足を運び、勇壮な姿に歓声や拍手を盛んに送っていた。
 山頂では大松明・姫松明を担ぎ手らが人力で立ち上げる光景も披露され、力を合わせて巨大松明が設置される様子に来場者らも手に汗握りながら見守った。
 夕暮れに包まれる頃には、旧須賀川城本丸にあたる二階堂神社で御神火奉受式が執り行われ、神炊館神社と地元宮先町町内会から岩瀬郡市陸上競技協会メンバーらに大松明などに点火する御神火が受け渡され、須賀川吟詠同好会の歌声に乗せてまちなかを一周し会場を目指した。
 市内団体と当日参加者による小松明行列が点火への機運を高める中、奥州須賀川松明太鼓保存会が太鼓演奏に盛りたてられながら大松明・姫松明・本松明・仕掛け松明の順に点火されると、激しく舞い踊る火の粉とごうごうと燃え盛る27本の火柱に会場の盛り上がりも最高潮に達した。
 今年は風も比較的穏やかで、晩秋の須賀川の夜空を焦がす紅蓮の豪快な炎の競演に観光客らも歓声を上げ、盛んにカメラのフラッシュがたかれていた。参加した地元中学生たちも応援団が中心となって松明にエールを送った。
 なお市民交流センターtette(てって)前と須賀川信用金庫本店営業部駐車場にはおもてなし広場と小松明製作コーナーが設けられ、戦国スープや特製トン汁、須賀川の地酒「銀牡丹」試飲、信金甲冑クラブメンバーとの記念撮影、地元産特産品販売など人気を集めた。
 翠ケ丘公園芝生広場では商工会議所青年部が中心となったおもてなしフードコートとキャンドルナイトが催され、須賀川の味自慢が提供する料理の数々が好評を博した。
 グランシア須賀川では一日限りの「まぼろしの屋台」を開店して限定トルコライスなどを販売し好評だったほか、近隣の商店も松明あかし限定サービスなどを提供した。