わずか3年「まぼろしの国石背」

解説を熟読する来場者たち

 須賀川市立博物館の企画展「まぼろしの国石背」は1日から始まり、陸奥国から独立しわずか3年で再併合されたともいわれる石背国と、建国の頃に創建された上人壇廃寺跡に関する様々な資料が一堂に会し、多くの来館者が現代につながる歴史のロマンに思いを馳せている。
 市の石背国建国1300年・上人壇廃寺跡国史跡指定50周年記念事業の一環で、30日まで無料開放している。
 石背国の建国背景や各地からの影響、「イワセ」表記の変遷、昭和36年に発見され43年に国史跡指定を受けた上人壇廃寺跡の伽藍模式図や出土遺物など、古墳時代から奈良時代までの資料約100点が並ぶ。
 また県教委が平成27年度から29年度まで3年間にわたり発掘調査した浜尾遊水地内の高木遺跡の出土遺物を報告書に先駆けて展示するほか、須賀川三中体育館建設にあたり25年に調査・発掘された「寺斗(テラマスあるいはテラト)」や瓦などが初公開されている。
 石背国は養老2年(718年)に陸奥国から独立した国で、同じく独立した石城国とあわせて現在の福島県のかたちを示した最初の事例であり、中心は須賀川にあったと考えられている。
 古墳や集落から出土した土器類などをもとに石背が各地の影響を多く受けていたことが近年指摘されており、特に常陸からの影響は国造の系譜とあわせて注目を集めている。
 企画展にはそうした歴史の解説も多く掲示され、来館者らが足を止めて熟読する姿も見られた。
 また初日には清水重敦京都工芸繊維大デザイン・建築学系教授を迎えた講演会「上人壇廃寺跡と日本の古代寺院」が同館展示室で開かれ、多くの市民が熱心に耳を傾けていた。
 記念事業はそのほか、上人壇廃寺跡や須賀川駅周辺の栄町遺跡、うまや遺跡などを徒歩で巡る「歴史ウオーク-古代の須賀川」が15日午前10時からふれあいセンターをスタート・ゴールに行われる。参加費は300円で申し込みは市文化振興課(℡88―9172)まで。
 県立博物館の荒木隆学芸員と一緒に古代の上人壇廃寺跡を考えるワークショップ「復活!上人壇廃寺跡」は29日午後1時から上人壇廃寺跡で行われる。
 福島大うつくしま福島未来支援センターの柳沼賢治特任教授の講演会「石背国の成立背景-古墳時代のイワセ」は10月20日午後1時から東公民館で開かれる。
 ワークショップと講演会の参加費は無料で申し込みは不要。
 博物館企画展の会期中の休館日は3、10、18、25日の4日間。開館時間は午前9時から午後5時まで。
 会期中は常設展の観覧も無料となっている。問い合わせは文化振興課(℡88-9172)まで。