3年ぶり松竹大歌舞伎公演

文七元結で「金で命は買えねえ」と見得を切る場面

須賀川市文化センター自主事業の松竹大歌舞伎は5日に開かれ、市内外から多くの愛好者が見守る中、中村芝翫(しかん)や中村梅玉らが江戸の情緒あふれる芝居を披露した。
市内で3年ぶりの公演は三遊亭円朝の人情噺を劇化した「人情噺文七元結」では芝翫さんと中村梅花さんが演じる長兵衛とお兼のユーモアあふれる掛け合いや、優雅な女形がずらりと並ぶ吉原角海老の光景、身投げを図る文七を「金で命は買えねえ」と悩みながらも男気を見せる長兵衛など、客席はときに笑い声をこぼしながら名演に息を飲んでいた。

襲名披露の口上を述べる芝翫さんら

次に中村橋之助改め八代目中村芝翫、橋之助、福之助の3人が襲名披露口上を披露し、白虎に風と松の見事な屏風を背に堂々たる所信表明は拍手に包まれた。
最後に「松羽目物」の品格を漂わせる「棒しばり」では、橋之助、福之助が酒好きのため主人に両手を縛られた次郎冠者と太郎冠者を演じ、不自由な体で酒を酌み交わそうとする様子や、扇子を使って巧妙に踊る仕草を披露した。
観客たちは生で見る伝統の演技に大満足の様子だった。