庵野監督ら「須賀川は特撮の聖地」

特撮への思いを語った尾上・庵野・樋口監督(左から)

 今年で30回を迎えた「すかがわ国際短編映画祭」は12、13の両日、市文化センターで行われ、国内外33本の映画上映や映画製作に係るワークショップなどに多く家族連れらが参加した。12日午後はアニメ・映画・特撮監督の庵野秀明さん、樋口真嗣さん、尾上克郎さんらを迎えたゲストトークを催し、県内外から約1000人が来場した。
 ゲストトークでは庵野監督ら出演者が制作した特撮作品「巨神兵東京に現わる」とメーキング映像を上映し、故円谷英二監督から受け継がれた文化と平成の技術を組み合わせて生まれた同作品や特撮文化保護への思いを約1時間たっぷりと語り合った。
 特撮作品「巨神兵~」はCG技術が発達した現代で、円谷監督らが生み出し発展させた日本が世界に誇る特撮技術や文化・資料が破棄散逸される現状を受け、庵野監督はじめ関係者らの“神楽坂会合”で製作が決まったと明かし、そこから特撮文化保存・継承活動がスタートしたと話した。
 庵野監督が理事長を務める非営利法人「アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)」を立ち上げた経緯と合わせて、岩瀬農村環境改善センターを改修して整備する「(仮称)特撮アーカイブセンター」への期待を寄せた。
 アーカイブセンターで貴重な資料が保管できる道筋がつくことで、庵野監督らは「ミニチュアや巨大模型など大切な資料を保管でき特撮文化を須賀川から世界へ発信していきたい。円谷監督の出身地須賀川は私たちにとってまさに聖地。特撮文化における正倉院にあたるアーカイブセンターを中心に、多くの心ある若者に保存・継承を手伝ってほしい。我々も出来る限り協力していきたい」と語った。
 また映画祭誕生のきっかけを作った映画監督の金山富男さん制作「伸びゆく ふるさと―須賀川市の30年」と、息子で東京実行委員代表金山芳和さん制作の震災復興記録映画「須賀川、復興への歩み」の親子作品共演やアカデミー賞短編アニメ賞受賞作「つみきのいえ」などを上映して好評を集めた。
 30回を記念してワークショップも行われ、12日は特撮研究所の三池敏夫さんによる「綿で雲をつくってみよう」、13日は「アニメーション映画のおもちゃをつくろう」が開かれ、両日とも多くの親子連れが楽しんだ。12日午後は尾上監督も飛び入り参加して参加者と交流を深めた。
 深谷育子映画祭実行委員長と実行委員会顧問の橋本克也市長のあいさつ、今年7月に結成30年を迎える奥州須賀川松明太鼓保存会による演奏披露もあり、ホワイエやロビーでは須賀川商工会議所女性会作つるし雛展示、地元特産品のPRや販売もあった。