「いじめ防止基本方針」を改定

 須賀川市教委は児童・生徒のいじめ問題の克服に向けた活動を総合的かつ効果的に推進するため、「須賀川市いじめ防止基本方針」を改定した。教師間のいじめに対する意識共有や積極的認知を通して、子どもたちの生命・心身を守り、市・学校・地域住民・家庭が連携して問題に取り組んでいく。
 昨年1月に市内の中学1年生男子が自死した事案を受け、第三者委員会・市いじめ問題専門委員会(委員長・笠間善裕弁護士)は3月から12月にかけて計11回の協議を行い、関係生徒や教員らへの聴き取り調査などを通して、日常的ないじめが「自死選択の大きな要因の一つになった」と結論づけた。
 男子生徒は学校生活に関する複数回のアンケートなどを通して学校側にいじめを訴えてきた。担任をはじめ学校側は加害者生徒らの指導と経過観察を通して一昨年12月にいじめが解消したと判断して市教委に報告していたが、結果的には昨年1月の事案につながり、悲劇を食い止めることはできなかった。
 いじめ専門委員会は調査を通して教職員の「いじめ」に対する受け止め方に差があり、学校体制における絶対的なマンパワー不足が事案につながったとし、今後の提言として①いじめ防止基本方針の確認と徹底②いじめ防止基本方針の策定場面に現場の声を入れる③教職員間の連携を密にして組織的に対応する④人的組織の充実と外部資源の活用―の4項目を提示した。
 須賀川市はこれまで平成24年度末にいじめ対応マニュアル、同26年4月にいじめ防止基本方針を策定してきたが、今回の事案を受けて今年2月に4年ぶりの基本方針を改定した。
 基本方針の改定はいじめ認定を「組織で判断」、「いじめ解消の要件」を明確にする。子どもたちへの対応を教員個人で判断せずに、情報や状況を学校組織全体で把握し、指導によりいじめ問題が解決したと見られた後も「少なくとも3カ月は継続指導」にあたる。これらの対応は各校に配布する観察カードに記録し、市教委への提出を徹底する。
 また各校で全職員が共通理解を持つため基本方針の読み合わせを再度入念に行い、保護者らの声も取り入れながら、いじめは絶対に許さない「態度の見える化」を図り、子どもたちに目の届く環境づくりを目指す。
 さらにいじめ防止に向けた今後の具体的な対応をまとめ、○調査報告書や取り組みの市HP掲載○早期発見に向けた調査実施増○相談体制の充実○特別支援教育の充実―などの6項目を掲げた。
 いじめ早期発見への対応として、これまで小学3年生以上を対象に年1回実施してきた調査を年2回に増やす。県派遣のスクールソーシャルワーカーや市の心の相談員増員、教育指導センターの拡充などを図る。