今もかがやき

No.新年号2018

なかがわ まざずみ中川正純さん(83)

須賀川市前川


己を鍛え己に克つために

健全な若者育成に身を尽くす

 長崎県の九州男児として生まれ、 国民学校入学当初から習った銃剣道だった。 しかし終戦後GHQによって武道が禁止され、 一度は剣を置いた。 その後、 須賀川市で事業を興していた兄の誘いを受けて20代の頃に市内へ移住。 その兄の影響で、 事業を手伝う傍ら、 銃剣道の稽古に明け暮れる日々を過ごした。 「本当はこんな辛いことをやりたくなかった」 と当時を振り返りながら笑う。 しかし、 一度決めたことを曲げない中川さんは鍛錬を続け、 全国大会の常連となるまで技を磨き、 全国準優勝、 3位入賞などの成績を収め、 須賀川支部の名を世に知らしめた。
 さらに60代でその実力と銃剣道の鍛錬を通した人間性の充実、 後進への十分な指導などが認められ 「範士」 となった。
 現在は毎週月曜日と金曜日の夜に市武道館で行われる須賀川支部の稽古で、 子どもや後輩たちにアドバイスを送ったり相談を受けたりしながら、 自身も防具を持参して鍛錬を積んでいる。 「もうこの歳ですから強くなることはありません。 ですが、 己を鍛え、 己に克つため続けています」 と穏やかに話す。
 若年層を中心に武道の精神が失われつつある昨今、 「銃剣道を通して一人でも多くの若者を健全に育て、 人格と品格が備わり 『礼』 を尽くせる人間を世の中に送り出すことこそ自分の使命として、 この命を全うしたいです」 と語った。