藤沼ダム本体、付帯施設工事は今月完成へ

ダム管理所で監視データを確認する有識者たち

 東日本大震災で決壊した「藤沼ダム」復旧に向けて有識者らでつくる県藤沼ダム復旧委員会は21日、現地で貯水後の本堤挙動の中間確認や検討をし、ダム本体、付帯施設関係の工事は今月中に完了する見込みで、周辺道路は年内中の開通を目指すとした。
 堤体復旧工事は昨年10月に完了し、今年1月18日から試験湛水を開始したが、降雨量不足で満水に至らず、満水時の観測機器の正常な作動などを確認するため10月末から試験湛水を再開。来年3月末に満水になると予想されている。
 今年4月からは7年ぶりに作付け時期に合わせて農業用水として下流域への供給を再開した。
 ダム本体、付帯施設関係の工事は今月中に完了する見込み。周辺道路は太陽光発電機をダムそばに設置完了後、年内中の開通を目指している。
 同委員会は平成24年7月に発足し、藤沼ダムの復旧に向けてダム型式、本堤、副堤の構造検討などの基本設計、耐震性能照査、ダム周辺の地質性状、施工計画・施工管理、成立試験の検討、工事の進捗状況確認などについて19回に及ぶ調査・検討をしてきた。
 今回は隣接したダム管理所でダム放流状況、現在の水位、間隙水圧など24時間体制で監視したデータを確認し、試験貯水を継続しても問題がないことを確認した。最終確認、調査は来年11月頃に行う予定である。
 決壊前の藤沼ダムは太平洋戦争前後にわたり県が建設し、貯水150万㌧は下流域830㌶の農地に農業用水を供給してきた。キャンプ場や温泉施設など市内外から多くの観光客が集う憩いの場としても利用され、全国ため池100選にも選ばれた。防火用水としても利用されてきたが、東日本大震災により決壊し、下流域に甚大な被害をもたらした。
 翌25年10月から震災にも耐えられる強度を持つ中心遮水形アースフィルダムとして再建、本堤は高さ31・4㍍、長さ149・2㍍で貯水量は同じ150万立方㍍。副堤は高さ18㍍、長さ86・8㍍。