晩秋の風物詩「牡丹焚火」

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牡丹焚火の立ち上がる炎を囲む来場者たち

 須賀川の晩秋から初冬を彩る伝統行事「牡丹焚火(ぼたんたきび)」は18日、市内外から多くの俳句愛好者や観光客が参加して牡丹園中央広場で開かれ、大輪を楽しませてくれた牡丹の古木に感謝を伝えた。
 天寿を全うした古木を焚火にくべ、牡丹の最期を彩る催しとして毎年実施し、古くは大正期に牡丹園を管理していた柳沼翁が始めたのがきっかけとされる。交流のあった原石鼎らの作品にも詠まれる。
 牡丹園を訪れた吉川英治の代表作「宮本武蔵」第4巻で、武蔵の無事な帰還を願い遊女が牡丹を火にくべる一幕が登場することでも牡丹焚火は知られる。
 徐々に暮れゆく牡丹園で約200人が静かに炉を囲んだ。橋本克也市長と森川光郎桔梗吟社代表が歓迎のあいさつをし、橋本市長は「牡丹焚火のだいご味を五感で味わっていただき、春夏秋冬でそれぞれの魅力あふれる牡丹園をぜひ楽しんで下さい」と述べた。
 記念の火入れ式は橋本市長や森川代表とともに、特別講演会講師の山崎祐子さん、遠来者を代表して宮山都保美さん(熊本県人吉市)が務めた。
 桔槹吟社同人が火男を務め、牡丹園と市民から持ち寄られた古木を火にくべた。前半は火の粉とともに夜空を焦がさんばかりに炎が立ち上り、火勢が落ち着いてからの後半は徐々に赤から青紫色へと炎が変化し、独特の落ち着きと静寂が静かな感動を呼び起こした。
 牡丹焚火は環境省選定の「かおり風景百選」にも選ばれており、焚火からのぼる牡丹特有のかすかな香りを楽しんでいた。
 なお当日は桔梗吟社が産業会館を会場に、俳人の山崎祐子さんを迎えて「暦の仕組みと季節感」をテーマに特別講演会を開き、牡丹焚火の情景などを詠んだ俳句会を催した。