藤沼ダム農業用水供給再開

藤沼ダム

簀ノ子川に向かって流れる藤沼ダムの貯水

 東日本大震災で決壊し復旧工事が完了、1月18日から試験湛水を行ってきた藤沼ダムが、24日から7年ぶりに農業用水供給を再開した。長沼地区復興のシンボル再建に農業だけでなく観光・物産振興など地域全体の再スタートに地元からも期待が高まっている。
 藤沼ダムは貯水量150万㌧。再建なった堤体は揺れに強い中心遮水型アースフィルダム形式で、本堤は高さ31・4㍍で長さは149・2㍍、副堤は高さ18㍍、長さ86・8㍍。決壊した震災と同程度の揺れにも耐えうる設計となっている。
 今シーズンは平年比べて降雪・降水ともに少なく、1月から始めた試験湛水で満水時よりも80㌢ほど少ない(満水比約8割)が、農業用水供給再開には十分な量の水が貯まったため、受益者約680人農地833㌶の営農再開へ放水する。
 試験湛水開始から現在まで、県、市、江花川沿岸土地改良区の観測でダムや貯水池周辺に異常は確認されていないが、貯水位が常時満水位に到達しなかったため、秋以降も試験湛水を継続し、満水時試験でも安全が確認できれば、年末から来年初めごろに藤沼湖の管理を市が引き継ぐ。
 24日は農業用水供給再開として、藤沼ダム東側の取水ゲート設置場所でセレモニーを行い、桃井栄一県中農林事務所長が経過報告を述べ、石堂伸二市産業部長の合図でゲートを開き放水を再開した。
 貯水は山中の第一トンネルを通り洪水吐きから簀ノ子川に向けて流れ出し、関係者ら約20人は感慨深そうに流水を見つめていた。